カテゴリー「都市・土木」の11件の記事

2010年9月14日 (火)

昔の羽田の輻輳した魅力を語る

先日の外環ツアーに参加したときに、相談所で航空写真を見ながら話していたら、意外と皆さん、昔の羽田(とその魅力)について知らない模様。僕にとっては昔の羽田って、あの香港の九龍城のような混沌をはじめ、今だに心に生きるパラレルワールドなんですが、それを知らないでD滑走路とか言われても、魅力半減な気分です。
そこで今日は特に1974年の航空写真を元に、昔の羽田のグラウンドの混乱っぷりを紹介したいと思います。詳しくは下の写真の赤字を見て、興奮して頂きたいのですが、

Small_hnd_1974

とりわけ見所は、
・ジャンボ等大型機の台頭で不足したエプロン(駐機場)を増やすため、A滑走路を短縮して(実質潰して)、誘導路に転用。誘導路間の芝生を新たなエプロンへ。
・それでも不足するため、旧芝生のエプロンは千鳥駐機(飛行機は後退翼形状のため、向き合ってずれて駐めると場所効率が良い)。
・ジャンボを千鳥駐機すると誘導路を通る飛行機の翼と接触してしまうので、誘導路の案内線を元A滑走路のセンターラインより外側にずらす。(写真一番左側の高速脱出誘導路からエプロンへ至るオレンジ色の線のカーブに注目)
・ターミナルは拡張しすぎて九龍城化。ただ元々狭いので、ボーディングスポットは拡張できず、ほぼ旅客はバスに乗せられることに。
・そのバスや、航空貨物ですら置き場所に困り、エプロン内に白点線で囲み、無理やり場所を設けることに。
・ターミナルのB滑走路側は、中型小型専門のスポットにしたが、機種によってはB滑走路に向かう飛行機に干渉するので、斜めに駐める。
といったところです。
1974年はまだ成田が出来る前なので、国際線もあって相当混雑していた時期です。航空写真の撮影時間の関係で、駐機している飛行機は少ないですが、ラッシュ時はこのエプロンを埋め尽くしていたはずです。

なお、上記の写真で見づらい場合、またより詳細に見たい場合は、無駄に大きな画像(6571x3824 pixel)を用意していますので、ここをクリックしてダウンロードしてください。
これら写真の作成にあたっては、国土交通省「国土情報ウェブマッピングシステム」を使用しました。

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2010年8月 2日 (月)

西日本の70年代高層団地巡礼

関西旅行の合間に、前から一度この目で見たいと思っていた高層団地の有名どころを見学してきた。

 

神戸(芦屋) : 芦屋浜シーサイドタウン

1970年代後半に竣工した超高層団地。プレキャストの住戸ユニットを4階ごとに積み上げるという実験的な団地。ユニット間の階にある半屋外の共有スペースが梁をかねているらしい。階数も高いものは29階建て、その他も軒なみ20階建て以上という、70年代としては飛びぬけた超高層団地である。ここでは写真を掲載するのみとし、詳しい説明はこのサイトを参照願いたい。

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広島 : 基町アパート・長寿園

1970年代前半に竣工した高層団地。原爆投下後、広島城と河川の合間に密集した通称”原爆スラム”を一掃(クリアランス)するために建てられた。高さ20階程度で、構造も芦屋シーサイドタウンほどの実験性は見られないが、当時としてはかなり前衛的な思想が垣間見られる団地。各団地は”コア”という概念で区別されている。詳細についてはこのサイトを参考願いたい。

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2010年5月 9日 (日)

Love RC。 Love 質感。 「東京モノレール高架橋脚ツアー」

 去る5月8日、高架橋脚ファンクラブが主催するツアーに初参加しました。今回は東京モノレール編。ルートは、浜松町から天王洲アイルまでのモノレール下を歩いて鑑賞後、乗車して天空橋、歩いて新国際線ターミナルの線路切替現場まで行き、浜松町へ戻って懇親会という流れでした。突然の参加なのに歓迎してくれたタムラ会長とオオタ書記長、他みなさんに感謝です。高架橋脚とモノレールも素晴らしかったけど、それ以外にもいろいろな発見が多かったです。特に、将来の団地の卵達に会えたり、超高層の団地の卵に囲まれてマンション78がうすぼんやりと佇んでいたのを見れたのも大収穫。幸せです。
(写真はクリックで大きくなります)

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出発地点付近、浜松町の跨線歩道。鉄骨の構造体むき出し感に、好感が持てます。確か以前はちゃんと塗装されていたはずなのに、最近は赤錆状態で見事なグラデーションに。手抜きから生まれる美学。写真奥の世界貿易センタービルの黒さと、写真には写っていませんが屋上に乗っている白いエレベータ室のコントラストも好きです。ホイップクリームののったチョコレートケーキのようで、見るといつもお腹すきます。



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最初のみどころ?
べたですが、首都高C1とモノレールの立体交差。ここは首都高走っていてもモノレールがちょうど来ないかわくわくする場所。けた係長命名の、ラッキーさんもみえます。








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住宅をかすめるように作られたモノレール。ではなくて、モノレールをかすめるように後から作られた建物。ファンには住みたくてたまらない物件。でも施工は苦労したでしょう。










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橋脚したを歩くツアーメンバー。
東京モノレールはオリンピックの頃の開業なので、もう50歳近い。RCにしても鉄骨製にしても、すでに周囲の景観と調和して、ひなびた良い雰囲気があります。








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本物かどうかは疑わしいが、ジュリアナ東京の事務所。
ジュリアナは海岸通りにあったので、場所の近さからいって信憑性は高いと思います。





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RC!RC!叫んでますが、鉄骨もなかなか質感いいですな。





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工事看板を持って来られた方が、大活用されてました。
小粋な計らいだと思いました。
(ここ芝浦アイランドのタワーマンションは三井不動産)




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前半のみどころ。
ゆるやかな曲線を鉄骨橋脚に支持されて、JR線から離れていくモノレール。







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JR線から外れると、いきなりX型のちょうかっこいいRC。
一家に一脚欲しい。









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芝浦の運河の上を行く橋脚と、
ツアーメンバー。









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東京鐵骨橋梁
ストレートな社名がかっこよい。
鉄屋さんは、金に失うと書く略字体の鉄をいやがりますよね。


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未来団地に挟まれて、モノホンの団地。
誰かが、「都営じゃ、かっこいいのはしょうがない」と言ってました。たぶん最近塗り替えたであろうオフホワイトにブルーのアクセントは、けっして媚びない硬派な配色。個人的には書いてある団地名のフォントが、適度にゲバっていて好み。





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これは超高層じゃないけど、最近の民間分譲中層タイプですね。
意外と将来いい団地に育つかも?




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首都高羽田線を越えるために、運河の中をぐんぐん登ってきます。モノレールは車輪でなくてタイヤなので、結構急勾配対応可。
橋脚足元の警戒色のソックスがおしゃれ。



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ここで首都高を越えました。
たぶん、オリンピックの頃に同時施工のはず。
鉄骨橋脚の足首の細さに惚れます。








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対して、首都高の方も魅せるではないか。
警戒色ソックスにひざ下シューゾウ。





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今回見た居住用建物の中で、もっとも将来の団地の才能があるのがこの子達。異様に垂直性が強調されている上、退屈なまでに均一な住居ユニットとバルコニーの積み重ねがポイント。ワールドシティータワーズーって名前も恥ずかしくていい。



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東京定温。

実直な社名、いいですね。

RCだし。

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見るものが多すぎて、遅れに遅れてようやく天王洲。ここからモノレールで天空橋へ。車窓も八潮団地とか、森ヶ崎水再生センターのRC出窓とか、ダイヤモンドカットされた首都高の湾岸との渡り線のRC橋脚とか、昔の羽田整備場の日航訓練センターの64年頃風な角が丸い窓をパネルにはめたビルのやつとか、見所満載。

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最近どうにかしちゃっている、東京消防庁のポスターが、駅に貼ってあった。

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天空橋から歩くこと20分。ようやく今日のフィナーレ、国際ターミナルへの新線切替地点。

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細かいところですが、取り替えられた橋脚をズーム。1991年、日本鋼管とあります。ここは沖展一期でビッグバードが出来たときに延伸された区間なのであんまり古くないけど、日本鋼管はいまや川鉄とくっついてJFEに。地球は確かにまわっている。 そう思うと、写真上部の溶接ビード線も、涙なしには見れません。

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切替した区間。混沌としてますがかっこいい。

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新線の下を歩き、ターミナルを目指すツアーメンバー。この辺で、スナックミサーチのママがほろ酔いで合流。

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ふと、多摩川の向こう、川崎に目を向けると、なつかしの紅白幕の石油タンク。子供の頃からここにずっとあって、好きでした。20年以上も片想いです。なくならないでください。




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新線の橋脚と軌道は、おろしたてのRCの白さ。触って肌触りを確かめましたが、角がまるくてツルツルしていて、いい養生具合でした。

 

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古い方の橋脚も、足元のソックスが片側だけ日焼けしてたりして、長年の生活感がありまして、ご苦労様でした。





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少し「鉄」っぽいですが、どうやらここがセクション(変電所の境目)のようです。証拠に、橋脚の両側から電線が下りています。黄色いマーカー部の両側の集電レールには、碍子が2つ見えますので、絶縁されていて、黄色マーカーの前後1m位が無電区間と思われます。


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国際線のパーキングビル。最近どこもそうなんですが、文字がMacOSの画面を拡大したかのようなヒラギノ風ゴシック。上に書いた都営のゲバ風(たぶん手書き)と対称的。DTPフォントはいろんな文字が安く使えるし合理的でいいんだろうけど、情緒減る。 (これは高速道路フォントにもいえる)


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懇親会は、書記長の会社のサルーンで開かれました。景色もよくて、すごく良かったです。今回は飛び入りで事情を知らず、なにも差し入れ持っていけずに、食べるばかりだったので、次回参加の際はちゃんと準備したいと思います。会長のプレゼンとGW報告も楽しみました。みなさん本当にありがとうございました。



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最後になりますが、スカイツリーもいいけど、やっぱり東京タワーの方がかっこいいと思います。あのゴテゴテといろいろくっついてるのがいいんだよなぁ。とか。

 

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2010年2月 9日 (火)

羽田D滑走路 見学会、トークショー

羽田空港の沖合に4本目のD滑走路を、埋め立て+ジャケットのハイブリッド工法で造成中です、今年中に供用予定ですが、見学会の知らせを聞き、行ってきました。

主催されたのは、土木学会 というまじめな学会。
http://www.jsce.or.jp/

案内いただいたのは、JFEエンジニアリングをはじめとするジョイント企業体の技術屋の方々です。

10bus朝に品川駅からバスで出発。現場へ向かいます。

15tenbodai簡単な説明の後、ヘルメット、ライフジャケットを着て、まずは展望台へ。みんな、真剣なまなざし。

20bridge

25overview展望台より。既存の空港方面と、新滑走路方面。

30juki重機。

40sodehomenジャケット部。遠く千葉方面がみえます。

35kimitsu着陸機と、君津製鉄所(新日鉄)

45seifusenyoおそらくハイチへ自衛隊派遣のため、政府専用機がいました。

50skytree中央防波堤埋立地の先に、スカイツリーが。

55stairジャケットの下が見学できるよう、階段をおります。

59kyokyaku3柱6本で、1枚のジャケットを支持しています。

60kyokyaku1_2柱にはステンレスを巻き、ジャケット底部にはチタンを使うというぜいたくぶり。

65kyokyaku2_2もはやなんというか、この神殿っぷりには、高架橋脚FC会長の田村さん(示し合わせたようにやはり参加されてました)も賞賛。

現場監督の方は、気さくに質問にも答えて頂けました

70rw再度バスに乗り、D滑走路のエンドに向かいます。だだっ広い。

75rwjuki工事車両も、大きい。

80rwendbusランウェイエンドに到着。

85rwend3寒かったけど、すばらしい滑走路日和。

90rwend2D滑走路供用後、羽田発着便に乗る際は、空港カウンターで「Dでお願いします」といってしまいそう。使用滑走路航空券指定売り、とかしてほしい。

93yudo誘導等の基礎工事。(浦安方面)

96rinkaiohashi昼食とトークショーのために、バスで移動。建設中の臨海大橋が見えました。

98culculお弁当昼食後、お台場のカルカルでトークショー。非常に興味深いお話。土木技術者女性の会の話があまり聞けずに残念でしたが、個人的には土木学会会長のシメのお言葉「コンクリートから人へ、ではなく、良いコンクリートが良い人を育む」にいたく感動しました。

99siryo資料もいろいろいただけて、満足です。

981kanranおまけ。カルカル前の観覧車。冬晴れで、すごくクリアに、彩やかに撮れたので。


 



 




 


 

 

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2010年1月19日 (火)

マンション78 激戦区

突然だが、僕はマンション78が好きである。
マンション78という言葉は、そもそも僕の造語なので、何のことだか分かる人はいないと思うので一応説明しておくと、
・1978~1983年頃に
・大手デベロッパー(主に長谷工)の手により
・主に首都圏の
・都営よりは駅から遠く、公団よりは駅に近い場所で
・とりわけ工場や倉庫の地方移転した後の遊休地に
・数百世帯規模で
・3DKか3LDKで60m2くらいの部屋の
・白色系の吹きつけの壁に
・原色系に塗った台形方のエレベータ塔と
・80年代前半的でなイメージの名称を付けて建設された
・民間分譲タイプのマンション
である。

百聞は一見にしかずである。江東区は木場において、マンション78の群生地を発見したのでここに報告する。

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典型的、マンション78である「木場ハイツ」、79年長谷工の物件。マリンブルーのエレベーター塔、50~60m2の居室面積。名前の「木場ハイツ」こそ、巷の賃貸アパートのようにカジュアルだが、おそらく1年遅く80年代に入ってから建てられたとしたら、また違ったネーミングになっただろう。(もうすこし、うすぼんやりとニューファミリー的にメルヘンな名に)
角住居のベランダのR感、耐力壁が表出しているだけかもしれないが、ベランダ側に縦に入っている白色のひし形連続仕切りデコラが、大規模マンションの水平的退屈感に、バーティカルなアクセントを与えている一方、外廊下側のファサードおよび非常階段の退屈感からしてかなり典型的マンション78といえる。唯一残念に思ったことが、ベランダ手すり部が、現代的なパンチングあるいはアクリルパネルで流線型にリフォームされてしまっている点。これがなければ、ほぼ満点だったのだが。

R8080153 R8080195 運河の反対側は、82年でやはり長谷工の「ニューライフマンション木場」。カラーリングはレッド系。こちらは規模も小さいからか、連続仕切りデコラもなく、コストセーブした印象。ただ、ベランダの手すり部が、ほぼ竣工時のままの柵仕切りな点は評価できる。ただ。道路に面する部分だけは交換済のようだ。及第点という感じか。

R8080192 「ニューライフ」の裏手には、マンション78には珍しく着まわし良さそうな地味系色でキメた、小型タイプを発見。塔屋が頭でっかちで愛嬌を感じる。

R8080162 この運河沿いは、まさにマンション78の激戦区。
木場駅からも豊洲駅からも10分以上と、立地はまさしくマンション78の王道をいく。



R8080220
コラボレーション by 高架下 & マンション78





R8080238 さらに塩見の方へ歩くと、コンパクトで自己主張の少ないタイプの、マンション78「ネオコーポ木場」を発見。80年by長谷工。写真には写ってないが、ちゃんと台形の塔屋も乗っている。

ベランダをリフォームしてしまっている上、
小規模なので、マンション78としてのアイデンティティは薄いと思われるが、それでも2本の連続仕切りデコラが、マンション78としてのプライドを感じさせる。

小規模=管理組合役員が少ないから、ダイナミックなリフォームが行われる可能性も高く、中古での購入を検討する若者も多いのではないか? 今後の変化に期待せざるをえない、隠れた異端児かもしれない。

最後に現実的な話をすれば、この地区のマンション78の60m2前後の居室は、現状1千万円台後半~2千万円台半ばで中古取引されている。築30年前後で交通は不便とはいえ、この価格帯が維持できているところからして、不動産価値の見地からもマンション78の評価は高いと思われる。外装はともかく、管理体制や、内装は徹底的なリノベーションがおこなわれている物件が多く、所得が少なめだけど都心近くに住みたいDINKSにはぜひオススメしたい。 僕個人的にはずっと独身だとしたら1千万円台後半であればつい衝動買いしてしまいそうな気がする。

最後はなんだか、住宅情報誌のリノベーションマンション特集のようになってしまった。

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2010年1月 5日 (火)

高架下初詣、カジュアル土木、ディテールについて、

正月早々、住宅都市整理公団主催の高架下初詣に参加してきた。

【リンク】
「高架下初詣」開催します
http://blog.livedoor.jp/sohsai/archives/51629138.html
2010「高架下初詣」土木イベントに初参加、箱崎はやっぱりジャンクションの横綱だった
http://mitaimon.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/kokashita.html
高架下初詣参加してきた(三鷹タカハシ版)
http://mitaka-sound.com/blog/blog/archives/350

寒い中、よく50人以上も集まった(自分も)。
写真はヘタクソなので、上記のリンクの方々の後に載せるのもおこがましいものだ。そもそも僕はおそらく、土木鑑賞の世界ではド素人、というか、きわめてカジュアルな世代の鑑賞者なわけで、それはつまり履歴書の趣味欄によくある「音楽鑑賞」という無難な回答と大して変わらないレベルのあくまでライトな趣味としての「土木鑑賞」趣味であるわけであって、そこのところは致し方なしと笑っていただき、それで結局写真は載せる(笑)

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現場にいたときは、それはもう寒くて寒くて、どちらかというと観るというよりも、ひたすら撮るという姿勢だったのだが、特にこの日は寒かったわけでもなく、要は僕らは寒い場所(川沿い)をひたすら歩いていたんだ。で、あらためて暖かい部屋で写真を見てみると、実際見たときより、よく見える。これが写真の力か?と思ったが、たぶん違う。

でも個人的には、高架下を撮るという行為はあまり行わず、どちらかといえば、周囲のものに目がいってしまい、それらを撮ることに終始してしまいがちであった。基本的にディテールに目がいくのだ。

R8080227 ガソリンスタンドノートの方に教えていただいた、都市内ダムや、

R8080233 同じく、教えていただいたRC製の歩道橋。

R8080241 飯田橋の歩道橋の雨樋に、




R8080275 室外機と非常階段が規則的に配置された高架下ビル。

R8080301 首都高の橋脚に巻きついた、ゆがんだ歩道橋や、

R8080313 橋脚のひび割れた文字、



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西神田の建築、

R8080355 喫水線の描かれた橋脚に、

R8080368 近くの誰かが言ったことだが、
「トーナメント形式の室外機配置」


R8080373 ジョイント部。

R8080387 甘い施工(リベットの位置が)。

R8080427 備えすぎて、かえって憂いありそうな脱桁防止具や、



R8080466 天国へと続く階段。

R8080513 地下にはシールドトンネル(おそらく半蔵門線)が生き埋めにされ、

R8080488 母は長男を負い、トイレへ。





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やがて次男も生まれ、

R8080508 気象庁はアンテナが満載で、

R8080445 カメラはCX2を持っていったので、
ふとミニチュアライズしたり、


R8080459 もともとミニチュアなものを
ミニチュアライズしたり

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打ち上げではこんなことをして遊んだ。







つまり僕はそういうことです。

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2009年11月 4日 (水)

驚異の建築~千葉そごう駐車場の8重らせん!

Fullsketch 萩原雅紀さんがDPZの記事で書かれて以来、行かなきゃ行かなきゃと思っていた「身近にあるすごい建築NO1」の千葉そごう駐車場に、ようやく取材に行ってきた。すでにDPZの方では動画も撮られているので、そちらも参考にして頂きたいのだが、とにかく一言で言って、すごすぎる。DPZと同じことしても仕方ないので、簡単な構造のスケッチを描いてみた。簡単にいえば、駐車場への出入りの道がDNAも真っ青の2重らせん構造になっており、つまり1らせん毎に上り下りが交替しているわけだが、ここではその2重らせんが外側と内側でまた2重の4重らせんになっており、さらにはそれが別棟でもう1組あるという驚愕のしくみなのだ。つまりは8重らせん。
E 公道から駐車場に入ると、まず左写真のように係員に駐車場の混雑具合に応じて、外側を通るか内側に行くかを指示される。(図中E視点、紫と緑の分岐)









Bridge 駐車場棟の4Fまでは店舗になっているので、5Fの高さに上がるためだけにこの棟は存在する。左写真はブリッジ部(2段、上層が下り、下層が上り用)。ブリッジを渡り、駐車場棟へ入るとようやくゲートがあり、駐車券の受け渡しとなる。最初の分岐で外側になったか内側になったかは、ここからもそのまま引き継がれ、内外に分かれて駐車場を上る。最初の分岐で内側に行った場合は駐車場は自動的に11~RFの割り当て、外側に行った場合は5~10Fの割り当てとなる。


A1 A2 A3 A5 A4_2

低層部の駐車場から、らせんを見た写真を5枚(図中の視点A)。写真以上の言葉は不要だと思えるほどの迫力。


B1 B2 屋上より駐車場とらせんの隙間を見下ろす(視点B)。12階分の圧倒的落差。









C D 感動的なのは、10Fで外側のらせん(低層用)が終わってしまうので、今度は今まで内側にあったらせんが外側に移るところ。左の写真(視点C、D)では上りの黒い車が外側に移る寸前、下りの銀色の車が内側に戻る寸前である。スリットの入ったピンクの壁は内外のらせんを隔てる壁であるが、内外のらせん自体が力学的にここから生えている構造のようだ。スリットより数の多いドットは外側らせんの梁が見えているようだ。内側らせんが外側に移ることで、明るく広い吹き抜けを完成させている。らせんの真ん中にあるボッチのついた屋根は5F部分で、この下は店舗なのだが、行ってみると1~4Fまで吹き抜けのエスカレーターホールになっている。つまりこの建物自体がそもそもバームクーヘンのような形なのだ。

Maps 場内にあった地図。断面が分かる。



Elevator 駐車場用のエレベーターも、5~10Fと11階以上で分かれている。高層用の方にあった制御ランプが未来的だが、それよりも10Fもの高さにある駐車場を「低層」と言い切ってしまう大胆さがすごい。


Enkei 外観。手前が5Fまで上り下りするための「外らせん棟」、後ろの高いのが駐車場のある「内らせん棟」。その奥にそごうデパート本体が少し見えているが、明らかに駐車場の方がデカイ。すでにデパートはオマケに等しいと思う。なお、外らせん棟の6階レベル以上の網みたいのがかかったところが謎の部分。






Ventfromroof_2 Ventfromground_2 駐車場の屋上から見ると、大きなファンが円形に何台も!なんという換気量だろう。分岐のところから見てみると、内側らせんの芯の部分にぶっといパイプが!おそらくそごうや隣接する千葉駅前商業施設の熱交換を一手に行っているのだろう。

まとめ
とにかく、なんか、言葉に出来ない、信じられないくらい、すごかった。誰がこんなの造ったのだろう???出来たのは1993年頃とある。バブル終わりし頃である。確かにこの頃にはらせんが流行って、横浜ランドマークタワーにらせんエスカレーターがあるくらいだ。今の時代にこんな金のかかった駐車場は出来ないし、今後世界でもたぶん造られないのではないか。そういう意味も含めて、本気で世界遺産の登録を申請してみたほうがいいと思う。それと、千葉そごうに用事がなくても、たった500円/時間で駐車できるので、このらせんを観光するだけでも、行ったほうがよいと、僕は思う。

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2009年10月13日 (火)

スカイツリーの建設現場を見てきた

Topskyatree_4 最近、電車からもよく見える、スカイツリー。浅草から歩いて見に行ってきました。下町の商店街に突如あらわれた世界レベルの鉄骨の、あまりに暴力的なさまを中心にレポートする。

Boryoku_3買ったばかりのリコーCX2の300mmズームを生かして撮影。傍若無人な破壊力で、ドーンドーンと出来てきている。説明看板によると、現在160~180m位のようです。完成すると600m以上と聞いているので、この4倍近い暴力っぷりが実現されるわけだ。 Boryoku2_2 Boryoku3_3

Withflower_2あまりに無骨な写真ばかりになりすぎると思って、花を入れた。接写力を生かして。

Sukasazu_2あまりに人間味のない写真ばかりになるので、行き当たりスナップ。

Hicon0_2 Hicon_2せっかくなんでハイコントラスト白黒機能も使う。

Gyudonその後なぜか青山に移動して吉牛で並。久々に食べたが、東京の吉牛はうまい。(千葉県内はところによりいまいち)

Doutor1青山のドトールは、なぜか少し瀟洒だ。なぜなら青山だからだと思う。 Doutor2

Hills青山から見える六本木ヒルズも、やはり暴力的な感じ。個人的にはアークヒルズも忘れないで欲しい。

Sorakuダイナミックレンジ拡大ダブルショットの力をかりて、トウキョウソラ区暫定復活。ダイナ(略)のせいか、ややオランダっぽい色の雲。

Saikaihatu渋谷に行ったら、東急会館があったところが無くなって、再開発中。不思議な小路が宮益坂(←読めない)の方へ通じていた。

Nenndaimono古めの都市型アパートメントの裏側がよい具合。

Kunou再度行き当たりばったりスナップ。タイトル”苦悩”(安易)

Hdrmiss_2 ダブルショットはミスると、アヴァンギャルド風に。(あるいは下手なレタッチ風)

Sukasazu2_2強力な連写機能を生かして、秒間30コマから1枚を抜きだすという、緊張感のかけらもないスナップ。

Realclothes主張する、渋谷の、リアル・クローズ。

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2009年10月 2日 (金)

計画的な九龍城砦、310000の原点。

サンシャインシティは無駄にデカイと思う。サンシャイン60とプリンスホテルの2大高層ビルは良いとしても、池袋駅から延々と歩かせる参道を地下で抜けると、まず小学生高学年女子向けの服屋やまるで緊張感の無い店が集まるALPAやALTAというダラダラとしたショッピングモールに始まるサンシャインシティ。高層ビルのある背の低い区画の先に抜けると、やたらでかいワールドインポートマートという箱物。水族館にナムコナンジャタウン、プラネタリウム、囲碁サロンや職安まである上、心霊スポットの公園まで併設するという変な充実ぶり。ワールドインポートのさらに奥地のほとんど人が行かないところにまた文化会館というやたらとデカイ箱物(これら2つは、”ビル”というより”構造物”と呼んだ方が適切だろう)がある。ここはほとんどイベント会場と劇場なので、そもそも人気が少ないが、念を押すかのように古代オリエント美術館といったマニアックな”文化施設”とスポーツクラブ。この構造物の上はどうやらマンションらしい。かなりボロクソに書いた気がするが、サンシャインシティは30年前の施設と思い至れば、こういった複合施設の上に住宅があるのは、意外に今風なのかもしれない。
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それにしても、文化会館側から見た時の、この妙な”巨大構造物感”はなんだろう。すごく無理して造ってる感じがあるのだ。必要があって造られたというより、何が何でもこの土地を覆い尽くさなければならなかったといった執着心のようなものが。たしかにこの区画は元”Sugamo Prison”でA級戦犯らが処刑された場所。だからといってここまで草の生える場所もないほど建物で覆い尽くさなくてもって気がする。なんというか、計画性を持って造られた九龍城砦のような、そんな印象が残る足の踏み場のなさ。建蔽率とかどうなってるんだろう?

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色々書いたが、サンシャインシティは310000が本格的に活動をはじめた原点の場所でもある。2004年ごろはこれとほぼ同じ写真が310000の表紙だった。違うのは、当時はケータイで撮っていたが、いまはデジカメなこと。当然画質は大違いだけど、基本的なコンセプトというか、写真の撮り方はさほど変わっていない。今回のこの2枚の写真は、当時と同じようにサチュレーションをいじってある。
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でももっとくっきりはっきり濃い写真だったと思う。あの頃のタイトル写真、どこかのサーバーに残ってないかな?

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2009年9月27日 (日)

エスカレーター鑑賞という趣味

エスカレーターの交流会(?)に行って、さまざま見てきた。
僕はこの分野、趣味人としてはド素人だけど、子供の頃に都内の某デパートのエスカレーターに足をはさまれ、レスキュー隊が消防車10台くらいかけつけ救出されたことがあり、かかわりは実は深く長い。 (3歳くらいだったから本人はうろ覚えだけど、実は後日デパートの支配人が家まで菓子折り持って訪問するくらいの一大パジェントだったらしい。もちろん助かったので五体満足にこれを書いてる)

とりあえずどーん、ドーンと写真。
0909260034 09092600570909260032 0909260040











普通に美しい。美的。
全体的な構成とか、立体感とか難しいことは知らない。
ディテール重視の自分としては、手すりの部分のゴム感とか、床板の模様とかの方に魅かれた。

詳しい方々がたくさん来られていて(実はメーカーの人も何人かいたり)、エスカレーター鑑賞業界は間口も案外広いようだが、もっともオーソドックスな部分は乗り始めの部分のRの形状のようだ。日立のエスコートラインがどうとか。

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これは翌日個人的に見つけたもの。下から来るのも、上へ行くのも全部日立だったけど、なぜかこの写真の階のところでエスコートラインが崩れる。不思議。ってか奥のエスコートラインが上下逆になっている気がする。





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シンドラーとオーチスのライン。








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この変なボコッとした部分が気になった。
エスカレーター自身よりもむしろ。
中詰まっているのか、いないのか、それが問題だ。
もし中までステンレス(18-8系)がギッシリつまっているとしたら、それはそれで、すさまじいゼイタクだと思う。

懇親会にてMy Favorite Escalator的な話題があったが、

個人的には京都駅(伊勢丹)のエスカレーターがいちばんすごいと思う。
最後に京都に行ったのはずいぶん前で、うろ覚えだが、確かポチョムキン階段の方のエスカレーターのほかに、伊勢丹の売場内を3階から11階くらいまで一直線に登るエスカレーターがあるはず。(なぜかネットで調べても、あんまり出てこない。でもすごいよあれ)

それと、江ノ島が気になる。中学のとき遠足で行ってのったきりだが、あそこには「エスカー」なる擬似エスカレーター的ライドがある。ものの本によると、Extra-transport System of City ARea の略で、世界でここにしかないものらしいが、僕には普通のエスカレーターにしか見えなかった。どこまでが真実で、どこまでが本当なのだろう?

※注
ポチョムキン階段というのは、こういうの。
0909270067 エイゼンシュタインの映画『戦艦ポチョムキン』のかの有名なオデッサのシーンに出てくる、やたら幅の広く角度のゆるい階段。
この写真の階段は、西武池袋の社員通用口らしいが、右一列しか使ってない。何のためにあるんだろう?設計者個人のモンタージュ技法へのリスペクトか?

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