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2009年10月27日 (火)

35mmフィルムを拡大してデジカメ写真と比較してみた。

一応、310000はデジタル工学(光学)ラボですので、たまにはマジメな実験をします。2009年現在、商業写真の世界でもデジタル一色となり、フィルムカメラはもはや風前の灯火です。特にキヤノンの一眼レフなど画質的には、すでに35mmフィルムを超えて中版フィルムに匹敵するといわれる一方、35mmフィルムは画素換算すると4000万画素あるなどとも主張する方面もあり、実際にチェックパターン等で実験されている人もいるようです。そういった厳密な実験の意義は評価しますが、310000では今回とある理由によって、できるだけ簡便な方法でデジタル写真とフィルム写真の比較を行います。とある理由とは、主に面倒くさいからですが。

【今回の比較機材】
・リバーサルフィルム:Ricoh GR1v 28mm / Fuji トレビ135 ISO100
・デジタル:Ricoh CX2 28mm相当 ISO80~100 最高画質モード

個人的には、最近買ったCX2が楽しくて仕方なく、「デジタルの便利さだけではなく、画質的にもGR1よりすでに上である」という結論に無理やりにも誘導したくなってしまうのですが、それでは310000の信用も疑われるので、えこひいきせず公平に評価します。測光モードは両者ともマルチパターンを使用し、露出補正等は0です。厳密にやろうと思えば、感度や露光量は同一にすべきですが、CX2ではマニュアル露出ができないこと、そもそもレンズの明るさも違ううえに、撮像素子に由来する根本的な違いとして被写界深度もあります。そして、写真を撮って現像するという流れを一連のトータルソリューションとして捉えれば、設定はカメラ任せにすべきだと思い、あえて全てオート設定にしています。簡単に言えばめんどくさいのです。フィルムで撮った写真は、フジカラーで現像して、キヤノンの複合機(MP810)にて4800dpi(約2800万画素)でスキャンし、sRGB色域でPhotoshopに渡し、編集しています。写真は最終的にブログ上でサービス版に近くなるサイズ(VGA)にしています。全体の雰囲気や色を見るためにそのまま縮小して掲載したもの、解像度をみるために拡大してトリミングしたものがあります。

識別用に、
・デジタルは右上か左上に青いマルを打ってます。
・フィルムは〃に赤いマルを打っています。

Kahakud
Kahakuf デジタルの方がどんよりと眠い感じです。一方フィルムは”色あざやか”という感じです。
拡大してみます。


Kahakuupd_2 Kahakuupf フィルムの方がシャープネスが強く、はっきりしていますが、デジタルも解像はしているようです。JPEGフォーマットがこういった細かい画像の圧縮に向いていないということもあります。



Colorfuld Colorfulf 色の濃さが全然違います。実際の見た目に近いのはデジタル、印象ではフィルムという気がします。これはフジのフィルムが「記憶色」の発色に重点を置いているからというのもあるのかもしれません。







Inud Inuf 犬をアップ。フィルムは白とび気味です。この写真の場合、デジタルの方が解像力がありそうです。






Juiced Juicef 自販機のジュース(アップ)。絵作りの傾向の違いが見られます。




Machid Machif デジタルの方が、ダイナミックレンジはかなり広いようです。フィルムはシャドーが省略されて消えていきますが、デジタルはノイズになっても残り続けます。もっともこれはリバーサルフィルムの特性なので、ネガではまた異なります。






Centerd Centerf 螺旋階段のアップ。こういうシーンでの色やシャープネスの傾向は、個人的にはデジタルが好きです。






Shuhend Shuhenf 今までの拡大画像は主にレンズ中心ですが、周辺を見てみます。
フィルムの方はレンズが周辺まで特性の良いGRレンズなので期待しましたが、あまり変わらないという印象です。



Kakudaid Kakudaif これは確かレンズ中央付近。デジタルの方がぼんやりしているけど、解像度はあります。(逆にフィルムの方が解像”感”はある)





Namerakad Namerakaf フィルムのスキャン解像度(4800dpi=2800万画素)まで引き伸ばした画像。写真の中央よりに写っていたマンションのモデルルームの看板です。デジタルの方はマンション名が読めますが、フィルムの方は読めません。


以上、専用のフィルムスキャナーではないので、スキャンの品位があまり良くないというのもあると思いますが、現状の1000万画素のコンパクトデジカメ(約3万5千円)は、10年前の10万円のフィルムカメラとほぼ同じか、それを超える解像力があるといえます。しかも現像代不要、フィルムや電池の購入不要、CX2は10倍ズームやこのブログの前の記事で紹介したさまざまな機能があるのですから、かなりお得感あると思います。結果的に宣伝しているみたいに聞こえますけど。。。

最後に、色というのは完全に好みの範疇だと個人的には思っています。色が好みでないのなら、ポストプロダクションのPhotoshop等で色を変えればいいと思います。よく、フィルムの自家現像等で色や光や影を作るのはOKだけど、フォトショはNGだとか言う、アナクロな人がいますが、それは本質的なことではないでしょう。そもそもフィルムの色自体がメーカーの意図によって着色(発色)されているもののわけで・・・(一方、デジカメの画像の色も、カメラメーカーの意図するところですが)、コダックやらアグファの色があるように、デジカメも「標準」やら「ビビッド」やら「ソフト」やら選べるし、フォトショで編集しやすいような発色を撮影時には選択するのも、自由です。つまり僕のいいたいことは、「写真は自由だ」ってことじゃないかと思います。(違う?)
ま、いじれます、いろいろ。下のは、青と緑のマルがあるのがデジタルをフィルムっぽい色にすべく頑張った物、逆に赤と緑のマルがあるのがフィルムをデジタルっぽくするため頑張ったもの。それぞれオリジナルも併せて載せてます。

Tatemonod Tatemonof







Tatemonodmod Tatemonofmod







お手軽に色調整したものですが、ひとつだけデジタルのアドバンテージを挙げるならば、デジタルの方がシャドーがつぶれていない分、また地味めの発色な分、より大きな編集余地があることです。

【追伸】

なんだかデジタルの方を持ち上げ過ぎている気がする。やはりCX2への愛着があって、バイアスがかかってるのは間違いない、自分。というわけでデジタルの方が表現力劣っていたサンプルを追加。

Madod Madof フォトショで4800dpiを200%に拡大(1億1200万画素相当!)、フィルムの方が全然色が残っている。デジタルの方は、ほぼノイズのもやもやに埋もれている感じ。ちなみにこの2枚は下の写真の網がけ部の拡大です。


Riverd Riverf

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コメント

良い記事を有り難う御座います。
以前からフィルムとデジタルの画質比較を見てみたかったので大変参考になりました。

投稿: jpggifpng3 | 2013年8月31日 (土) 16時23分

私は、過去にフィルムで行こうと決めてツァイスレンズをたくさん買い込んだんですが、うーん、デッドストック。EOS-6か5にコンバータでもつけようかしらん。

あと、エプソンのフラットベッド(9700)とニコンの専用スキャナ持ってますが、定格上はエプソンの方がはるかに上なんですが、実際にはニコンの圧勝。画像のキレ・解像度・コントラスト再現ではもう勝負になりません。エプソンのは全体にぼんやりして、細かいところが見えない。以前は投映派だったんで、もっと見えたはずだというのがありました。ニコンを買ってスキャン画像が記憶に一致して納得。

ニコンのは、印刷所の1000万円の20000dpi級スキャナと比べても、さほどの遜色はないようです。

投稿: gkrsnama | 2015年9月26日 (土) 23時56分

ミラーレスのα7mkII買っちゃいました。まだ来てません。
コンタックスRTSのレンズが全部使えるようです。高感度の画質はすばらしいようです。

フィルムとデジの詳細比較は、後ほど報告いたします。ベルビアは全紙で近接するとかなり苦しいのですが、全倍で近寄ってもヘイチャラなコダクローム25の原版が山のようにありますんで。カラーフィルムではこれが最古でかつ究極でしょう。

投稿: gkrsnama | 2015年10月29日 (木) 17時24分

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